吾輩は理学療法士である。

理学療法士が綴る、論文や本、日々の出来事のお話

膝の症状に対する神経系へのアプローチの選択基準はあるのかのお話(論文系記事)

この前、別のセラピストの患者さんが、

 

 

”トンカチを使って~”

 

というのを、

 

”トンチンカンを使って~”

 

と言っていて、

度が過ぎない天然って、可愛さ3割増なんじゃないかと思いました。

 

 

 

 

今回は、論文系記事です!

興味ある方は見ていただけると幸いでございます!

 

 

 膝の症状に対する神経へのアプローチの指針は何か

 

 

前回・前々回の論文系記事では、

膝の症状に対しての股関節アプローチの選択基準

膝の症状に対する腰へのアプローチの選択基準

について書きましたが、

 

ebpt-book-output.hatenablog.com

ebpt-book-output.hatenablog.com

 

 

今回は、

神経です!!

 

 

 

どのような所見が見られた場合、

神経へのアプローチで膝関節の症状を軽減させられるのか

という論文を読んだのでご紹介させていただきます!

 

 

論文タイトル

Predictors for identifying patients with patellofemoral pain syndrome responding to femoral nerve mobilization

 

 

patellofemoral pain syndrome(いわゆる膝の痛みがある人)は、

パテラのトラッキング異常、筋のインバランスやオーバーユースなどが原因と言われてますが、

神経系の問題を指摘する人も中にはいるんです!

(僕もこの意見にはめちゃくちゃ同意)

 

 

今回の研究は、

膝の症状がある人に対して大腿神経のモビライゼーションをやってみて、

症状が軽減した人はどんな共通点があるのというのを分析してまーす。

 

 

大腿神経のモビライゼーションと書きましたが、

この研究では、神経をストレッチさせるテンショナーという手技をやっています。

 

やり方はというと、

側臥位で上半身は丸くさせ、

膝関節屈曲位の状態で股関節を伸展させます。

患者が痛みを感じたら、そこで2秒止めて戻す。これを10回3セット。

この治療を2週間かけて6回実施して、

初回治療後と6回治療後で

スクワット、ハーフスクワット30秒、片脚でのハーフスクワットで

症状(主に痛み)が50%以上改善した人を抽出!! 

 

 

 

果たして、共通点とはいったい…!?

 

 

 

それでは、ドラムロール!

どぅるるるるるるる、だんっ!!

 

 

 

 

 

 

 

大腿神経のスランプテストが陽性

(初回治療後に効果がある人の共通点) 

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大腿神経のスランプテスト

⇒大腿神経を伸張させといて、頸部の屈伸で症状が変化すれば陽性

 

 

 

 

 

 

 

はっきり言って、

ちょーシンプルな結果。笑

 

 

 

 

 

 

 

言い換えれば、

神経テスト陽性なんだから神経モビライゼーションやっちゃいなYO!

という感じです。

(注:この論文での解釈なので、たとえば神経根症状の人に安易に神経モビライゼーションを推奨してるわけではありません。)

 

 

ちなみに、

6回治療後の人の共通点は、

初回で神経モビライゼーションが効いたことと

大腿神経のスランプテストでの股関節伸展角度が両側で3°以上差があることでした。

 

  

 

 

なんだよー、なんか普通の結果じゃん

と思う人もいるかもしれません。

 

 

でも、僕がこの論文を読んだ時に思ったことは、

 

膝痛い人で神経伸張テストに引っかかる人ってこんなにいるの!?(51人中25人が神経モビで効果あり)

 

 

 

陽性尤度比も11.96だから、

パッと大腿神経のスランプテストやっちゃって、

スクリーニング的に神経かどうか判断しちゃっても良いかもしれませんね。

陰性だったら筋骨格系の評価に専念して、

陽性だったらもう神経モビライゼーションやっちゃうとか。

(これは1つの考え方なので、鵜呑みにはしないように!)

 

 

 

なんでもそうだけど、

シンプル イズ ベスト

だと思います!

 

 

 

発動条件が複雑なほど、効果は上がるかもしれないけど、

バンジーガムとドッキリテクスチャーみたいに念能力自体に攻撃力がなくても、

ヒソカの頭脳が合わさったら最強になるってことですよ。

 

 …いつの間にか、ハンターハンターの話になっていた。ぜひ、読んでください。むちゃくちゃおもしろいっす。

 

 

 

今日は以上です!

 

 

 

次回の論文系記事は、

神経に関する論文を紹介しようかなと思ってます。

 乞うご期待!

 

 

それでは、また~