吾輩は理学療法士である。

理学療法士が綴る、論文や本、日々の出来事のお話

理学療法士とお笑い芸人の共通点とは何かのお話(考察系記事)

 

僕は中学生の時に

俺は理学療法士になるっ!”

とモンキー・〇・ルフィばりに意気込んでから、

月日を重ね、今に至っているわけですが、

実は、理学療法士』は僕が尊敬する職業ランキング2位なのです。

 

 

 

 

 

 

堂々のランキング1位は、

『お笑い芸人』です。

 

 

 

 

 

僕は日本のお笑い文化がすこぶる好きです。

日本のお笑いは、

社会風刺がまったくないから低レベルだと批判されることがありますが、

僕がもし仮にアメリカに生まれていたとしたら、

人生で窒息死するほど笑い転げることは一度たりともなかったと断言できます。

 

松本人志の一泊二日廃旅館、さまぁ~ずのインスタント女王様、笑ってはいけないのジミー大西、にけつッのアンガ田中とロッチ中岡のケンカ…

と文字通り“死ぬほど笑った”ものを挙げたらキリがありません。

 

 

 

さて、この一見交わる部分がないような『理学療法士』と『お笑い芸人』ですが、

この二つの職業って思考回路が似てるなぁと僕は思っています。

 

 

 

 

どっちも『連想ゲーム』

 

 

ある女子高校生のバスケットボール選手が、

試合中にカッティング動作を行ったときに、膝に激痛を覚えて動けなくなった。”

 

 

 

 

これを見て、おそらくほとんどの理学療法士は、

ACL損傷

という言葉が思い浮かんだのではないでしょうか。

 

 

どうして、このたった1文でACL損傷という言葉が出てくるのか。

 

 

ある女子高校生バスケットボール選手が、

試合中にカッティング動作を行ったときに、膝に激痛を覚えて動けなくなった。”

ACL損傷って、バスケットボールとかの非接触型スポーツでも切り返し動作やジャンプの着地で起こって、確か女性の方が受傷しやすいよな”

という

知識や経験を目の前の情報と照らし合わせ、一番似通ったものを引っ張ってくる

いわば連想ゲームなのです。

 

 

 

そして、これはお笑い芸人も同じことをやってるのです。

 

 

 

その代表的なものは、『例えツッコミ』と言われるものです。

それでは、例として千鳥ノブさんのツッコミを見ていきましょう。

 

 

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このシーンは、

パンク町田という動物の専門家が犬とベロベロ舐めあって戯れてるところです。

 

 

これを見てノブさんはツッコむわけですが、

笑いというのは良い距離感というものが必要なんです。

 

 

松本人志さんは、あるフリートークでこう言っています。

“お笑いと視力って似てるんです。

物っていうのは丁度いい距離にあるものが一番良く見えやすいんです。

お笑いもこれと一緒で、

近すぎず遠すぎず丁度いいところのものが一番面白いんです。“

 

 

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たとえば、この場面で、

“お前はムツゴロウか!”

とツッコんだらどうでしょうか。

 

『犬と過度に戯れる』ということを照らし合わせただけで、

なんとなくボヤ~っとした印象があり、いわゆるピントが合っていません。

 

 

それでは、

“アイスキャンディ舐めてるんか!”

とツッコむのはいかがでしょうか。

 

これは、逆に『舐めるという行為』にピントが合いすぎてしまい、

全体像を捉えられていません。イマイチ笑えないでしょう。

 

 

お待たせいたしました。

このシーンをトップのお笑い芸人はどう表現するのか。

こちらになります。

 

 

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“冷水器で水飲んどんか!”

 

 

 

この言葉のチョイス、

ただの天才です。笑

 

果たしてこのシーンで、これ以外の正解はあるでしょうか。

 

 

 

小型犬ではなく大型犬の大きさが冷水器のシルエットと重なっているところ。

腰を少しかがめ口を丸くし、少年のように一心不乱に水を飲む様。

そしてそのツッコミを、汗だくで少年の心を持ち続けるパンク町田さんにするのです。

皆様も一度はこの形で冷水器で水を飲んだことがあるのではないでしょうか。

手の位置からすると、足ではなく手で円柱のボタンを押して水を出すタイプでしょう。

 

 

 

つまり、

お笑い芸人ver.

犬の大きさ、パンク町田の姿勢、口元の形、犬のベロの動き、汗だく、少年の心

=冷水器で水を飲むという連想

理学療法士ver.

バスケットボール、カッティング動作、女子高校生、膝に激痛

ACL損傷という連想

 

どちらも、

連想ゲームなわけです。

 

 

 

ぜひ、みなさんも日常生活から遊び感覚で連想ゲームをしてみてください。

ちょっとずれるかもしれませんが、

僕は保育士の患者さんから子供との接し方の話を聞いて、

これはセラピストと患者の関係にも当てはまるなぁと思って

臨床で少し意識したりしてます。

 

 

 

最後に、

僕が最近言ったツッコミの中で一番手応えがあったのは、

いとこの娘5歳がメロンを皮ギリギリまでむしゃぶりつくように食べてるのを見て、

 

“シャバに出てきて初めての飯か!”

 

です。

もちろん、その女の子は怪訝そうな目で僕のことを見ていました。

 

 

それでは、今日はこの辺で~